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    COLUMN

リユースオイルとは

2022-03-07
はじめに
令和2年の「2050年カーボンニュートラル宣言」が、各分野で脱炭素化の取組みを加速させました。
また令和3年の「地球温暖化対策計画」では、廃油などの焼却に伴うCO2削減が定められました。

今日、環境問題に対する法律や規制も形を変えながら増え、多くの企業が環境問題を抱えております。
「環境」はどの企業にとってもメインテーマになりました。 
このような状況下での潤滑油業界の課題は、使用された潤滑油のほとんどが廃油焼却され、温室効果ガスの排出源の1つになっていることです。

私達新日本油脂工業は、サーマルリサイクルにおける廃油焼却によるCO2排出を、使用油の再生利用(リユース)を促進させる取組みで削減できると考えています。
再生復元の方法について

(1)再生可能な工業用潤滑油の種類
 
▼タービン油・油圧作動油
タービン油・油圧作動油には、添加剤を含まない無添加のものと、酸化防止剤・油性向上剤・流動点降下剤・金属不活性剤・防錆剤などを含んだ添加タイプがありますが、いずれも再生可能です。
 
▼不燃性(難燃性)作動油
一般石油系作動油と異なり、これら合成潤滑油タイプのものは、比較的要求性状が過酷で劣化の仕方も複雑ですが、水グリコールタイプ・りん酸エステルタイプを問わず一般に再生可能です。
特に合成タイプは、鉱油タイプと比較して新油の単価が高く、再生のメリットは一段と大きいと考えられます。

またこのタイプの油は、廃油としての処理処分が困難で処理処分費が膨大ですので、使用限界以前の再生を推奨しています。

▼ギヤー油
ギヤー油は、自動車用・工業用を問わずSP系の極圧剤が相当量添加されているのが普通ですが、これら添加剤もベースオイルと共に劣化します。
添加剤の劣化物はスラッジとなり、再生ろ過処理で除去されます。あるいは再添加を行って、劣化分の極圧剤を補うことも可能です。

また、ギヤー油においては、適切な粘度を保有していることが求められるので、再生時に粘度調整も行うことが可能です。
 
▼コンプレッサー油・冷凍機油
これらの油は、密閉系のなかで循環使用されております。

使用油は新油と比較して、水分・摩耗粉及び劣化生成物が含まれておりますが、すべて再生可能です。
ただし、対象となる圧縮ガスの種類が多く、これらのガスが油中に溶解している場合が多いので、再生の際は脱ガスの工程が必要となります。

この工程による二次公害に留意する必要があります。また、ポリブテン等を使用したコンプレッサー油もありますが再生に対しては問題ありません。
 
▼金属加工油
金属加工油には、圧延油・熱処理油・切削油等があります。

これらの使用油には、金属イオン・金属粉・水分・劣化添加剤等が含まれておりますが、いずれも再生・再添加・粘度調整が可能です。



(2)使用油潤滑油の管理と保管

使用油を再生するときは、次の点にご注意下さい。

▼適度な使用限界を守って油を抜き取る
抜き取った劣化油は、極度にその潤滑油の使用限界を超えたものであってはなりません。
疲れきった劣化油の再生は好ましくないからです。
使用限界とはどんな程度であるかについては下記の通りです。
▼異種油の混合を避ける
異種の劣化油が混合されているものは、再生復元が困難です。

▼軽質分、溶剤などの混入を避ける
軽質のベンゾール・ソルベント・トリクレーン・灯油・軽油・重油などの混入や雨水の侵入を避けて下さい。

▼保管容器などを整備し万全を期す
使用油の厳正保管のため、タンクやドラム缶に油名を記してください。

(3)各種使用油の劣化の内容一覧(該当は○印)

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