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   不定期更新です

絶縁油

2021-05-17
絶縁油(インシュレーティングオイル)とは
こんにちは。

一か月ぶりの更新となってしまいました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今回は「絶縁油(インシュレーティングオイル)」について説明していきたいと思います。

絶縁油は、変圧器(トランス)、回路遮断器、蓄電器(コンデンサ)安定器等、電気機器の絶縁及び発生熱の冷却を目的とした油の総称です。
変圧器や蓄電器などの機器内は絶縁油で満たされています。
絶縁油は主に高圧の電線やコイルを包むことで漏電を防いだり、機器内で発生した熱を冷却するため、変電設備には欠かせない役割を担っています。

引火点は130℃程度・発火点は320℃程度と高く、ガソリンや軽油などの燃料として用いられる他の可燃性液体よりも安全性が高いのが特徴です。
変圧器(トランス)油
変圧器油は、一般の潤滑油とは異なり長期間(~数十年)にわたり使用できるオイルです。

要求性能は、電気特性(絶縁破壊電圧等)、酸化安定性、低温流動性等に優れていることです。

かつては流動点の低いナフテン系原油からのみ製造されていましたが、今では製造技術の進展により、鉱油系ではパラフィン系原油からも製造可能でになりました。
鉱油系以外ではシリコン油、アルキルベンゼン等の合成油も使用しています。

電気特性の維持のため保守管理が重要になってきます。
絶縁油とPCB
変圧器や蓄電器に含まれている絶縁油には「PCB」が含まれている可能性があります。

PCBとはPoly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称で、人工的に作られた油状の液体(化学物質)です。
電気絶縁性が高く、熱で分解しにくい、不燃性、 水に溶けにくく沸点が高い、など化学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油・熱交換器の熱媒体等様々な用途で利用されていましたが、現在は製造・輸入ともに禁止されています。

PCBの持つ「脂肪に溶けやすい」という性質が慢性的な摂取により体内への蓄積を招き、長期間にわたって重大な症状を引き起こすことが報告されたからです。

PCBが大きく取りあげられる契機となった事件として、1968年(昭和43年)に発生したカネミ油症事件があります。
これは、米ぬか油の製造中、脱臭工程の熱媒体として使用されていたPCBが混入し、その米ぬか油を摂取した人々や胎児にまで健康被害を発生させた食中毒事件です。

都道府県知事による認定患者(死亡者含む)は累計で2322人でしたが、50年前には健康被害を訴えていた人が1万4320人にのぼりました。

カネミ油症の症状は、吹出物、腫れ、色素沈着、目やになどの皮膚異常や、全身倦怠感、しびれ、食欲不振など様々です。
現在もその後遺症に悩まされている人が大勢います。

カネミ油症事件にて人体に有毒であることが判明して以降、日本では法律でPCBの処理方法も明確に規定されました。
PCBが使用された代表的な電気機器
昭和28年(1953年)から昭和47年(1972年)に国内で製造された変圧器・蓄電器には絶縁油にPCBが使用されたものがあります。
高濃度のPCBを含有する変圧器・蓄電器等は、機器に取り付けられた銘板を確認することで判別できます。
詳細は各メーカーに問い合わせるか、(一社)日本電機工業会のホームページを参照してください。

数万件に及ぶ測定例から、
国内メーカーが平成2年(1990年)頃までに製造した電気機器には、PCB汚染の可能性があることが知られています。
絶縁油の入替ができない蓄電器では、平成3年(1991年)以降に製造されたものPCB汚染の可能性はないとされています。

一方、変圧器のように絶縁油に係るメンテナンスを行うことができる電気機器では、
平成6年(1994年)以降に出荷された機器であって、絶縁油の入替や絶縁油に係るメンテナンスが行われていないことが確認できればPCB汚染の可能性はないとされています。

したがって、まず電気機器に取り付けられた銘板に記載された製造年とメンテナンスの実施履歴等を確認することでPCB汚染の可能性を確認し、さらに上記の製造年よりも前に製造された電気機器については、実際に電気機器から絶縁油を採取してPCB濃度を測定してPCB汚染の有無を判別します。

ただし、コンデンサーのように封じ切りの機器では使用中のものを絶縁油の採取のために穿孔すると使用できなくなるのでご注意ください。

(参照:ポリ塩化ビフェニル(PCB)早期処理情報サイト)

*変圧器・蓄電器に含まれている絶縁油を処分する際は、PCBが含まれていないか必ず確認してください。
詳しくはこちら
新日本油脂の絶縁油
JIS C2320 の1種2号 、1種4号に合格した優れた絶縁油と言えます。
一般地、寒冷地の変圧器、遮断機に広く使われています。
厳選された原油から高度の品質管理のもとで作られた鉱物油100%の油で、その特長は次の通りです。

1)絶縁破壊電圧が高く、優れた絶縁耐力を持っている
2)酸化安定に優れており、スラッジの生成が少なく、長時間安定した性能を維持する
3)冷却性能が良く、発生熱を速やかに取り去る
4)低温流動性に優れており、低温時の取扱いが容易である

弊社製造のインシュレーティングオイルも、不含証明を発行できます。
お問い合わせフォームより、ロット番号を明記の上お問い合わせください。



以上、今回は絶縁油についてお話しました。

東京はじめじめとした空気で、梅雨の始まりを感じさせます。
新型コロナウィルスも終息の気配がなく、まだまだ油断できない毎日が続いていますが、皆さまどうかご自愛くださいませ。

お使いの潤滑油について、互換性やSDS等少しでも「?」となることがありましたらお気軽にお問い合わせください。
お取引や購入方法も、お問い合わせフォームより承っております。

それでは今回はこの辺りで。




油圧作動油(ハイドロリックオイル)

2021-04-27
はじめに
こんにちは。

前回のエンジンオイルに続き、今回は検索や質問の多い油圧作動油(ハイドロリックオイル)について解説していきます。

ハイドロリックオイルとして広く知られているこちらの潤滑油ですが、一体どんな特徴を持っているのでしょうか。少し踏み込んだ内容になっておりますが、最後までお付き合いくださると嬉しいです。
油圧作動油の役割
油圧作動油は工業用潤滑油の中でも最も使用量が多く、あらゆる場所や機械で広く使われています。
建設機械向けの販売が55%と半分以上ですが、どんな役割を持っているのでしょう。

油圧作動油はその名の通り、油圧装置の中で動力伝達媒体として使用されています。この働きに加え、潤滑・防錆・冷却などの作用も同時に行っています。
様々な役割を担う作動油は、油圧装置の伝達・効率・信頼性などに重大な影響を与えるため、慎重かつ適正な管理を行わなければいけません。
求められる機能
油圧システムが長時間安定して作用するためには、多くの条件を満たす必要があります。

▼動力の伝達 
ポンプからシリンダー(モーター)まで、作動油が機械のシステムを動かします。作動油が流れるときの圧力が、この動力となります。

▼潤滑性(摩耗の防止と摩擦の低減)
粘度同様、潤滑性は非常に重要です。作動油に含まれる添加剤の成分が、金属の表面に油膜を形成し、こすれても摩耗しないように保護してくれます。
この添加剤の有無によって機械のさまざまな部品の寿命が変わります。
添加剤については後程解説します。

▼その他求められること 
油圧ポンプや制御弁、油圧シリンダが高圧、高速下で運転されることや、機器に用いられる材質、運転時の油温などが高温であることなどから、様々な機能が求められます。
       
  • 適当な流動性があること
  • 燃えにくいこと
  • 温度が変化しても粘度の変わりにくいこと
  • 防錆能力があること
  • 酸化安定性のよいこと
  • 非圧縮性であること
  • ゴムや塗料を侵さないこと
  • 対環境性能が大きいこと
  • 金属を腐食しないこと
  • せん断安定性のよいこと
  • 劣化しにくいこと
  • 水分混入時の抗乳化性および水分離性がよいこと
  • ゴム・樹脂への適合性があること
  • 金属破片や汚染物質を除去すること
  • 消泡性のよいこと
  • 冷却すること
作動油の種類
作動油の種類は、鉱物系・合成系・含水系と豊富です。
鉱物系では一般的に下記の分類があります。
▼鉱物系作動油
①純鉱油
∟無添加タービン油等、添加剤を一切含まない石油系作動油


②一般作動油(R&Oタイプ作動油)
Rust Inhibitor(防錆剤)とOxidation Inhibitor(酸化防止剤)を主な添加剤として含む石油系作動油

この作動油は添加タービン油として広く利用されています。その特長は耐摩耗性には欠けますが、石油系作動油の中では最も長寿命です。
最近では鉱油の精製度が上昇し、いわゆる天然の酸化防止剤としての効果が減少したため使用量は減少しています。

*一般に「潤滑油」「作動油」として使用されている「鉱油」は天然成分(基油)のままでは機能として不十分なため、様々な機能を持つ添加剤が配合されています。添加剤は酸化防止、摩耗防止、錆止めなど潤滑油としての要求を満たすための成分で構成されています。 「鉱油」にはこのような「潤滑油」添加剤を含まない物はありません。


③耐摩耗性作動油
∟ジチオリン酸亜鉛系(ZnDTP)のものと、無灰系(硫黄-リン系)のもの

油圧装置の耐摩耗性に対する要求は、油圧機器の小型、高圧、高速化傾向
から益々高まってきています。
ジチオリン酸亜鉛系ではこの添加剤(ZnDTP)が摩耗防止剤として作用すると同時に、酸化防止剤としての効果もある多目的添加剤であり、耐摩耗性作動油として広く使用されています。
無灰系では、米軍規格(MIL H5606C)に規定する作動油にはTCPが使用されてきましたが、高圧ポンプの摩耗防止には十分とは言えず、その後硫黄系添加剤とリン系添加剤を組み合わせた作動油が耐摩耗性作動油として評価されています。


④高粘度指数低流動点作動油(R&Oタイプ、耐摩耗性)
∟高温での粘度の特性と、低粘度による油膜の破断や焼き付きを防ぐために必要な、高粘度指数の両方を兼ね備えたもの

機械の使用場所によっては、低温での流動性が要求されます。低温領域における粘度の増大は、ポンプの吸入を困難にし、ポンプの駆動モーターの軸入力増大等が起こり、機器の破損に繋がる場合もあります。
以前はR&Oタイプの作動油が多く使用されていましたが、現在では耐摩耗性作動油が主流となっております。
この作動油は一般の作動油に比べ、粘度変化が少ない為、省エネルギー型作動油としても評価されています。


⑤油圧摺動面兼用油
∟作動油としての特性と摺動面用潤滑油としての性能を合わせ持ったもの

工作機械の油圧と摺動面の潤滑油を統合する目的で開発されたもので、油圧作動油として必要な性能を具備しています。更に工作機械の摺動部において精密さを要求されるような場合にはStick Slip (固着-すべり) を起こさぬ性質が不可欠であり、また摺動面油として摩擦面から拭い去られない金属表面への強い付着力を持っていなければなりません。

油種統合の点から、更にその用途を広げ、軸受、減速機などにも合わせて潤滑するようなマルチパーパスオイルが開発され、実際に使用されています。


⑥その他作動油として使用される潤滑油
作動油として開発されたもの以外の潤滑油の中にも、一般的には作動油として使用されているものも多くあります。
軸受油、スピンドル油、タービン油、マシン油、冷凍機油、コンプレッサー油、内燃機関用潤滑油等がこのカテゴリーにはいります。


以上が鉱物系作動油の種類です。
これとは別に合成系作動油や水溶性作動油がありますが、その説明はまたの機会にしますね。
添加剤の種類と働き
精製した潤滑油(基油)そのままでは、性状や性能に限度があります。今日のように機械の使用条件が複雑且つ過酷になると、潤滑油に対する要求も多岐にわたり、また厳しくなります。
そこでこのような要求に応えられるよう、新しい性質を与えたり、不足している性質を補ったりするために添加剤を加えます。

潤滑油の添加剤にはつぎのようなものがあります。

a)耐摩耗剤
摩擦面に吸着あるいは反応して潤滑性膜を作り、摩耗を防止します。

b)酸化防止剤
スラッジの生成を抑制し、潤滑油の酸化や劣化を防止します。
潤滑油は貯蔵中も使用中も空気と接触している場合が多く、エンジンオイルのように高温で使用されるものも稀ではありません。潤滑油が温度及び空気中の酸素によって酸化されると、腐食性の酸やレジン、スラッジ等を生成し、粘度が増加したり、流動性が悪くなったり、金属部の腐食や系統の汚損の弊害を起こす危険があります。

c)極圧剤
重荷重の潤滑面で、油膜が切れて金属接触が起こる恐れのある場合に、金属と反応して表面に「極圧潤滑膜」を作り、焼付きや摩耗を防ぐ働きをします。
最近では環境問題から塩素系添加剤の使用は禁止され、重金属系添加剤の使用も大幅に減少されてきています。
そのため現在では硫黄系、リン系、窒素系の組合わせがほとんどです。

d)防錆剤
金属表面に皮膜を作って、空気や水分を遮断する事により金属表面の錆びを防止します。
また、金属表面上に水分が存在している場合には、これと置換し水分の浸透を防止します。

e)金属不活性化剤
金属表面が油の酸化で触媒として作用しないように、その表面を不活性します。

f)消泡剤
使用中激しく攪拌されたり、劣化物、ゴミ等が混入すると泡が立ち易くなります。この泡立ちを防止する為に添加されます。
主にアルコール系、エステル系、シリコン系に分類されます。
シリコン系は油面上の泡は消えますが、油中に発生した気泡を放出・消泡する効果はありません。
エステル系は、油中に生じた気泡を油面に放出すると共に、油面上の泡も消すことが可能ですが、取扱いに注意が必要です。

g)抗乳化剤
エマルションを破壊します。また、潤滑油の乳化を防止します。
乳化の原因は、オイルに水分が混入することです。
乳化したオイルを使用したままだと、部品の劣化に繋がるだけではなく、正常な潤滑性能が発揮されず、トラブルを起こす危険性が高まります。

h)清浄分散剤
エンジンの運転中に発生するスラッジやカーボンを油中に分散させ、潤滑部分に堆積することを防止するもので、分散作用と清浄作用を併せ持っています。清浄分散剤を加えた潤滑油をディーゼルエンジンに用いると、油は早めに黒くなりますが、これはエンジン内の清浄を保っている証拠でもあります。

i) 粘度指数向上剤
潤滑油の高温における粘度と低温における粘度の差が小さい程、粘度指数は高く、温度による粘度変化を少なくします。

j) 流動点降下剤
パラフィン系潤滑油は、パラフィンワックスを含有しています。このワックスは低温になるにつれ析出してくるため、オイルの流動性は阻害されます。
流動点降下剤はワックス分の析出する温度を下げ、低温での流動性を高める働きをします。
*潤滑油の90%以上は鉱油です。そしてその鉱油の基油の大半はパラフィン系です。パラフィン系鉱油の基油は炭化水素化合物と不純物を含んでおり、不純物が無い「合成油」と比べると使用温度範囲が狭いのが特徴です。

k)腐食防止剤
酸化によって出来た腐食性の酸が、軸受け金属をはじめ潤滑部分の金属を腐食するのを防ぎます。清浄分散剤、酸化防止剤、もしくは防錆剤が腐食防止作用を有する事から、腐食防止剤として単体で添加されるケースはあまりありませんが、工業用潤滑油ではほとんど添加されています。

l) 油性向上剤
境界潤滑においては、同一粘度でも油の種類によって摩擦係数は異なります。この性質を油の油性と呼び、境界潤滑下で重要な役割を演じます。
油性向上剤は、金属の表面に吸着膜を作って油膜が切れづらい様にすると共に、摩擦係数を小さくする働きをします。



作動油の基本的な割合は「基油:99 添加剤:1」と、添加剤の割合はほんの少しです。

ですが、これらの添加剤が、作動油の作業効率を高めてくれています。
作動油の添加剤組成は、下記のような割合が多いです。
Cumic ハイドロリックオイルHM
Cumic ハイドロリックオイルHMは、最高級の耐摩耗性油圧作動油で高圧 ・高出力の油圧装置に推薦されます。
また、循環系統油としても広い用途を持っています。

ISO粘度グレードに従いVG32・46・68があり、高度に精製された基油に最新の摩耗防止剤・酸化防止剤・防錆剤等がバランス良く配合されております。

特長
1)卓越した耐摩耗性を持っており、機械寿命を伸長します。
2)異常摩耗による突発事故を防ぎ、機械の休止損失を防止します。
3)低流動点と優れた低温性能をもっており、寒冷時の始動性を改善します。
4)酸化安定性に優れ、過酷な条件下で長時間使用に耐えます。
5)系列内を常に洗浄に保ち、スラッチなどの蓄積による事故を防止します。
6)フィルター、バルブなどの交換時期を伸長し、系統内の洗浄作業などの労務費を節減致します。

*VG
∟Viscosity Gradeの略で、粘度グレードと表現されます。
「viscosity」とは「粘着性、粘質」、「grade」は「等級」という意味で、日本語にすると「粘度等級」という意味になります。
数値が小さいほどサラサラとした粘度の低い油となり、数値が大きいほどドロドロとした粘度の大きい油となります。

作動油はホームセンターでは取り扱いをしていない場合があります。
販売店や代理店をご紹介できますので、是非お気軽に弊社お問い合わせフォームからお問い合わせ下さいね。


いかがだったでしょうか。
油圧作動油もエンジンオイル同様、定期的に交換することで安全に機械を使用できます。
使用状況にもよりますが、初回の作動油交換以降では、1年に1回程度の頻度で交換することで油圧装置の健康を維持できるとされています。

機械の「血液」とも言える油圧作動油、地域や使用用途も考慮し、皆さまが「これだ!」と思うものを見つけられることを願っております。

それでは今回はこの辺りで。

潤滑油とは

2021-04-01
あいさつ
こんにちは。
数ある潤滑油の販売店・メーカーから、当社に興味を持ってくださりありがとうございます。

新日本油脂工業は東京都 大田区に位置し、昭和23年に設立以降、自動車のエンジンオイルなどといった自動車用潤滑油や、工業用潤滑油など潤滑油全般の開発および製造・販売を行っております。

HPにある「Made in HANEDA」というフレーズが目に留まった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その名の通り、弊社製品は羽田エリアで製造しております。日本の玄関口である羽田空港は、弊社の屋上から見るとほんの目と鼻の先にあります。

弊社のオイルブランド「Cumic」がもっともっと世界に羽ばたいてほしいという願いを込めて、「Made in HANEDA」というキャッチコピーをつけました。

エンジンオイルの役割
さて、このサイトを覗いてくださっている方の中には、「潤滑油 基礎知識」「潤滑油 役割」や「エンジンオイル 作用」などと検索して辿り着いた方もいらっしゃるかと思います。

「潤滑」とは、接触を伴う運動をしている2面間に、オイルやそれに代わる物質を用いることで、摩擦抵抗や摩耗を低減することを指します。これらの運動をしている部分では、摩擦抵抗や表面の損傷が発生しているので、この抵抗を油で低減することにより機器の正常な機能を維持し、設定された寿命を確保することができます。

潤滑油は、「工業用潤滑油」と「自動車用潤滑油」の2つに大別されます。
「工業用潤滑油」は軸受油、タービン油、油圧作動油等を指し、「自動車用潤滑油」はエンジン油、ギヤー油、自動変速機油(ATF)等を指します。
その中でも、今回は特に多く検索されている「エンジン油」について解説していきます。

エンジン油(エンジンオイル:以下同)はその名の通り、エンジンに使用するための油であり、様々な機能の為に使用されます。モーターオイル と呼ばれることもある本オイルの役割は大きく分けて5つで、①潤滑 ②密封 ③冷却 ④清浄 ⑤防錆 に分類されます。
  1潤滑作用  
金属摩擦を低減し、エンジン各部を円滑に動かす

  2密封作用  
ピストンとシリンダーの隙間を密封し、ガス漏れを防ぐ

  3冷却作用  
エンジン内部の熱を吸収し、オーバーヒートを防ぐ

 4清浄分散作用 
エンジン内部に発生するススや金属粉などの汚れを油中に取り込む

  5防錆作用  
水分による金属の腐食やサビから防ぐ
オイルの粘度

エンジンオイルの缶でよく見るこのような数字。

「  5 W - 40  」

さて、この数字は一体何を表しているのでしょう。


答えは「オイルの粘度(硬さ)」です。
ではなぜ、オイルの粘度を表記する必要があるのでしょう。
それは、その推奨粘度にマッチしたオイルを選んで使用する事がエンジン性能を最大限に発揮するポイントだからです。
車種や走り方に適したオイルを使用しなければ、トラブルの原因となってしまいます。そのためエンジンの設計や目的により、それぞれオイルの推奨粘度が設定されています。

またこの数字は、大きいほどオイルが硬く、小さいほど柔らかいことを表します。
新しく車やバイクを購入された際には、最初から入っているオイルの粘度が基準になります。
エンジンオイルの選び方
最近の国産車は「5W-30」を指定している車が主流です。
実用車で普通で走るなら「5W-30」、低燃費志向なら「0W-20」、スポーツカーでなら「10W-50」と、
愛車の個性と走り方に合ったエンジンオイルを選びましょう。

▼ハイブリットカー/コンパクトカー
0W-20 推奨
0W20は最近のコンパクトカー・ハイブリッドカーに推奨される、サラサラとした粘度のやわらかいオイルです。吹け上がりが軽く、燃費が良いのが特徴です。

▼軽自動車
0W-20~5W-30 推奨
軽自動車は使用の状況や環境に左右されます。燃費重視であれば 0(5)W-20、高速走行が多ければ5W-30がおすすめです。

▼ミニバン
0W-20~5W-50 推奨
ミニバンは車重もあり、大人数で高速走行することも多い車です。燃費重視の0(5)W-20から負荷に耐性のある5W-50など、使用状況に合わせてお選びください。

▼スポーツカー
5W-40~15W-50 推奨 ※その他お問い合わせ下さい
スポーツカーは走ることが前提の車です。エンジンは高温・高回転のため、熱に対する強さが必要です。使用状況や環境にもよりますが、高温時の粘度(右側の数字)が大きいものを選ぶと良いでしょう。

▼欧州車
輸入車の場合、粘度ではなく質の高いオイルを指定している車種もあります。 また、オイル消費が早い車種もあるので、こまめなオイル量チェックが大切です。
エンジンを守るためにできること
洗車したぴかぴかの車で走るのはとても気持ちいですよね。
ボディだけではなく、エンジンにも定期的なメンテナンスが必要です。

安心して車に乗るために、是非次のことを大切にしてください。

①車種に適したエンジンオイルを使用する
近年では、エコカーの流行や環境保全などの観点から0W-16などの低粘度オイルの需要も高まっています。車種に適したオイルを使用することは、エンジンだけでなく地球環境を守ることにもつながります。

②正しいオイル量を守る
エンジンオイルは車種ごとに正しいオイル量が決められています。
オイルの量が多いと摩擦ロスが増えるため、燃費が悪くなり、パワーダウンしてしまいます。
反対に量が少ない場合、オイルを吸い上げることができなくなってしまうので、摩擦によりエンジンが焼き付いてしまいます。また、オイルが休まる時間が少ないため劣化も早まります。

③定期的にオイルを交換する
オイルを交換しないと、エンジン内部が汚れ燃費が悪くなります。
エンジンオイルには清浄作用がありますが、残念ながら運転するたびに劣化していきます。また、車は走らなくてもエンジンオイルは劣化します。

新車時のコンディションを維持するためには、目安として5,000kmまたは半年のサイクルで交換すると良いでしょう。
少なくなったらオイルを継ぎ足せばいいのではないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それはNGです。かならず「交換」してください。


大切な車やバイクに合ったエンジンオイルを選ぶこと、定期的にメンテナンスを行いオイルを交換をすることが、より長くつきあうのに重要なポイントです。
たくさんの種類があるエンジンオイル、是非あなたの相棒にぴったりなものを見つけてください。



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