本文へ移動

    COLUMN

リユースオイルとは② 後編

2023-02-13
左が処理前、右が処理後です。
こちらの写真でも、処理前には沈殿していた不純物が、しっかり取り除かれていることがわかりますね。

前回のコラムで、「不足している性能の添加剤を使用油に再添加させる」と書きましたが、その添加剤の1つを紹介します。
消泡剤
みなさんは「消泡剤」を知っていますか?
字でなんとなく分かるかもしれませんが、「泡を発生しづらくする」役割を持っている添加剤です。

そもそも泡立ちの原因は、使用中に激しく攪拌されたり、劣化物やゴミ等が混入することにあります。
エンジンが回っている間、エンジンオイルは常に攪拌されている状態です。攪拌回数が増えれば増えるほど、必然的に発生する泡の量も増えていきます。

泡立ちが激しいと何が問題かというと、空気に触れる面積が増えるため、熱が逃げにくくなったり
潤滑性が悪化し、金属同士の接触部にオイルがまわり込まずに摩擦が増え、エンジンや機械の故障へと繋がってしまいます。

こうした泡の発生を抑えたり、発生してしまった泡を消す作用をもたらすのが消泡剤です。

実際に、消泡剤を添加する前と後のオイルを比較してみましょう。

泡立ち試験という、オイルに空気を入れた際の泡の立ちやすさ(泡立ち度)及び一定時間後の泡の消失度合い(泡安定度)を測定する試験を見てみましょう。 (試験方法:JIS K 2518)


まず、消泡剤を入れていないオイルの泡立ち試験を見ていきます。
空気を入れると30秒程度で泡立ってきます。3分30秒するとオイルのほとんどが泡に変わりました。
5分で空気を止め、泡が消失する時間を調べたところ、約8分という結果になりました。
続いて、消泡剤を添加したオイルです。
空気を入れると、オイル自体は泡でやや濁りますが、上澄みにはほんのわずかに泡がある程度で
モコモコとした泡はでてきません。 
5分で空気を止め、泡が消失する時間を調べたところ、3分という結果になりました。

この試験から、消泡剤を添加することで
泡立ちが抑制されること、泡立ってもすぐに収まることがわかりますね。
まとめ
消泡剤をはじめとした、適切な添加物を添加することで、ダメージを負ったオイルを回復させることができます。

前回もお伝えしたように、再生のメリットはコストダウンに直結する事です。

本来廃棄されるはずの使用済みオイルが安価な費用で再生でき、もう一度ご使用いただくことができます。
特に、合成油など単価の高い潤滑油では、さらに大きなメリットが期待できます。

※その一方で、弊社までの劣化油の運搬費用を考慮する必要があります。



再生するのに、どれくらいの量が必要か、というご質問もよくいただきます。

運搬費用を考慮したコストメリット、および弊社の製造設備の制約条件などから判断し、最低ロットは、2000L(ドラム10本分)としております。
この際、多量の水分や異物が含まれていると処理ができませんのでご注意ください。


ご依頼をいただいたのち、まず使用油のサンプルを弊社まで送っていただき、弊社のラボにて再生方法を検討致します。

注意点は以下の通りです。
細かく注意点が書いてありますが、キュッとまとめると
「再生対象の油種を確認のうえ、使用油を保管する際は異種の油や水、異物の混入がないようにご注意ください」ということです!

*

さて、少し長くなってしまいましたが、リユースオイルについて一人でも多くの方にお伝えできていたらうれしいです。
もし「ちょっと検討中…」というお客様がいらっしゃいましたら、まずは一度、ご相談下さい。
ご不明点なども遠慮なくお問い合わせください。


おといあわせはこちら

リユースオイル記事①前編
リユースオイル記事②後編:現在のページ




       ご案内
TOPへ戻る